今回取り上げるテーマは「本当にあった怖い話」です。
いえ、稲垣吾郎出演の「ほんこわ」とは何の関係もありません。
つまり怪談ではないのです。

私が体験した「本当にあった怖い話」とは―。

 

お見合いパーティ

『半永久完全自動収入』

 



まだ独身の頃、今から15年以上も前のことである。古いね(笑)!

当時、繁華街のいたるところに「お見合いパーティ」があった。ここ新宿歌舞伎町には数十メール間隔でひしめきあっていた。

特に、西武新宿駅周辺に密集していた。陳腐な表現だが、「雨後の筍」という言葉がぴったりだった。

これから出かける店は、西武新宿駅の歌舞伎町側の改札口からほど近い場所にあった。

私はあまり期待していなかった。どうせまた相手が見つからずに帰ることになるだろう。まあ、いつものことだから気楽にいくか、と自分に言い聞かせていた。




お見合いパーティの店内で


前金で3千円払い、空いた席に座る。店内には楕円形をしたテーブルがあり、中央がくりぬかれた、ちょうどドーナツのような形状をしている。内側には店員が飲食物の注文を受けている。

椅子は向こう側とこちら側に、男女別に配置してある。

店内はすいていた。時間が早いからか、もともと客の入りが悪いのかはわからない。

適当に座席を決め、座る。女性側の席を見ると10人は座れそうな座席に3人しかいない。男性側は私を含め4人。

3人の女は、皆ごく普通に見える。そのなかから、ややふくよかな女を選んだ。好みの女だったわけではない。3人のなかで返事をしてくれそうに思えたからだ。

「お見合いパーティ」では、男から店外デートの「申込みカード」を店員を介して渡すことになっている。「カード」には適当なことを書く。「出ませんか?」でも何でもいい。

「カード」を見て、女がOKしたらそのまま連れ立って外出することができるシステムだ。入店時に払った金以外は不要だ。

たまたま(後でわかったのは女は最初からその予定であったが)OKしてくれ、外出することになった。

 


怪しげな店へ


女は20代前半で、体型のわりに足早に歩く。いい店を知っていると言う。
いい店どころか、これからひどい目に会うとも気づかずに、女の後を追う。

その店は、お見合いパーティの店から歩いて数分のところにある。

雑居ビルの2階に駆け上がっていく。店のドアの前まで来て「いやな予感」がした。

 


怪しげな店内で



木製ドアには何も書いてなく、来たものを威圧するようにピシッと閉じられている。女は気圧されることなく、なれた手つきでドアを開ける。

私はここまできたら開き直るしかないと腹を決める。いざとなっても、なんとかなるであろう。

薄暗い店内に入る。その暗さに目が慣れるまでしばらくかかる。二人並んでソファに座ると、ウェイターが近づいてくる。

  「何になさいますか」

言葉遣いはていねいだが、ドスの効いた声だ。

やばいな、と感じながら私はおくびにも出さず、ウーロン茶をオーダーする。女はビールをオーダーする。

女はさらにフルーツも勝手にオーダーする。

私はフルーツの値段が気になり、テーブルや店内を見渡すがメニューらしきものは一切ない。いや、正確には壁に表示してあることにしばらくしてから気づく。なんと5000円だ。

女はますます調子に乗り、カラオケを歌いたいと言い出す。女は1曲100円だと言う。ここまできて女はこの店の「常連」だと確信する。

1曲ごとに100円払うシステムだ。女が選曲するたびに私は財布から100円を出す。何気なく女の方を見ると、財布の中を覗きこもうとしているように見える。

 


恐怖体験?


どうやら間違いない。

女は店とグルになって、私を餌食にしようとしているのだ。財布の中を覗き、紙幣やクレジットカードの有無を確認している。

客の財布を取れば当然犯罪になる。そこで、カラオケの名目で客に小銭を払わせ、財布を開かせるわけだ。そして、紙幣やカードが確認できたら高額な請求をふっかけるのだ。

私の忍耐も限界点に達する。帰ると言うと、女もウェイターも思いとどまらせようとする。それでも帰ることを強硬に主張すると(内心恐怖感が充満している)、ウェイターは明細書を持ってくる。

明細書には25,000円と大書してある。内訳が事細かに書いてあるが、オーダーしていないものまで掲載されている。どう計算しても12,000円くらいだ。

納得できないが、私は一秒でも早く店を出たい。明細書を持ち、ゆっくりとした足取りで入り口付近のレジの前に立つ。こわもての兄さんが、カードで払ってくれないかと言う。

私はカードは持っていないと答える。
お兄さんは、

 「カードの方がありがたいんだがな」

とドスの効いた声で脅す。

私は内心ビクビクしながら、脅しに屈してはいけないぞと心の中で叫び、カードを持っていないと低い声で言う。

私は中身を見られないように注意しながら、財布から紙幣を出す。レジの男はしかたなく、金を受け取る。領収書は出さないつもりだ。

私がカードを持っていないと強硬に主張した背景には、いったんカードを渡したら返却されなかったり、金額を大幅に割増されることを恐れたからだ。

支払を済ますと、さっさと店外に出た。背後から何かされないか注意深く気を配りながら。

女は私よりも一足先に店外に出ると、小走りにもとの「お見合いパーティ」の店の方向へ向かう。

店内で気になっていたことがある。やや離れた席に客の一人がぐでんぐでんに酔っ払ってウェイターに介抱されているように見えたが、それは錯覚だ。

強いアルコ−ルを無理やり飲ませて、意識をもうろうにし、財布を抜き取ろうとしているように見えるからだ。ウェイターは客の胸ポケットに手を伸ばしている。

この店は暴力バー、キャッチバーだ。女はこの店の回し者で、お見合いパーティなどで網を張り、私のような獲物を狙う「ハイエナ」だ。

私は「カモがねぎを背負ってきた」つまりカモねぎである。



 
本当の恐怖


私は「本当にあった怖い体験」をしたわけだが、この程度でまだよかったと思うできごとが起こる。

この店に行ってから数カ月経った頃のことである。テレビのニュース番組や新聞報道で、すっかり忘れていたはずの「あの恐怖」を私はいやでも思い出すことになる。

この店だったかどうかは重要ではない。
が、この店の周辺で起こったことが重要である。
サラリーマンが暴力バーで身ぐるみ剥がされた挙げ句に、冬空の下に放置され凍死したのだ。
強いアルコールを飲まされていたため、寝てしまい、だれにも助けられずに帰らぬ人となった。

自分も一歩間違えば同じ目にあったかもしれないと思うと、あのときの恐怖が甦ってくる。

これが、私が体験した「本当にあった怖い話」の一部始終である。
 

 

 

  

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